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北西太平洋津波情報について

●北西太平洋津波情報

 「北西太平洋津波情報」は、北西太平洋域において大きな地震(マグニチュード6.5以上)が発生した場合に、気象庁より関係各国に対して提供される情報 です。その内容は、地震の発生時刻、震源の位置、マグニチュード、推定される津波の発生可能性の有無、及び津波の発生可能性が有る場合には、指定された沿 岸地点における津波の到達時刻及び高さの予測値で構成されます。
 北西太平洋津波情報の発表対象領域は図1のとおりで、平成18年7月より南シナ海についても暫定的に対象領域を拡大して情報提供しています。この領域で マグニチュード6.5以上の地震が発生した時に、気象庁は、世界中のリアルタイム地震観測データ(図2)を用いて震源の位置及びマグニチュードを素早く計 算し、さらにコンピューターシミュレーション技術を用いて表1の沿岸地点における津波の到達時刻及び高さを予測します。この結果を基に北西太平洋津波情報 を作成し、沿岸各国に提供します。また、情報発表後も気象庁は北西太平洋域の潮位データ(図2)をリアルタイムで収集・監視し、実際に津波が観測された場 合には、その観測値も合わせて発表します。また、後から得られた地震観測データを利用して震源の位置やマグニチュードが再評価されたり、予測されない規模 の津波が観測された場合には、前の情報を修正するかたちで、再度、北西太平洋津波情報を発表します。
 このようにして気象庁より発表された北西太平洋津波情報は、それを受領した各国が、予想される津波に対して国内への津波警報発表や住民への避難勧告などの緊急津波防災措置を行うために活用されます。北西太平洋津波情報の提供先を表2に示します。



表1 北西太平洋津波情報において津波の到達時刻と高さの予測値が発表される沿岸地点

沿岸区 発表地点 緯度 経度
カムチャツカ半島東岸
ウスチカムチャツク 56.1N 162.6E
ペトロパブロフスク-カムチャツキー 53.2N 159.6E
千島列島
セベロクリリスク 50.8N 156.1E
ウルップ島 46.1N 150.5E
朝鮮半島南岸
プサン 35.2N 129.1E
ノーワ 34.2N 126.5E
ソギポ 33.2N 126.5E
台湾東岸 フワレン 24.0N 121.6E
フィリピン諸島東岸
バスコ 20.4N 122.0E
パラナン 17.2N 122.6E
レガスピ 13.2N 123.8E
ラオアン 12.6N 125.0E
マドリッド 09.2N 126.0E
ダバオ 06.9N 125.7E
イリアンジャヤ北岸
ベレベレ 02.5N 128.7E
パタニ 00.4N 128.8E
ソロン 00.8S 131.1E
マノクワリ 00.8S 134.2E
ワルサ 00.6S 135.8E
ジャヤプラ 02.4S 140.8E
パプアニューギニア北岸
バニモ 02.6S 141.3E
ウエワク 03.5S 143.7E
マダン 05.2S 145.8E
マヌス島 02.0S 147.5E
ラバウル 04.2S 152.3E
カビエング 02.5S 150.7E
キンベ 05.6S 150.2E
キェイタ 06.1S 155.6E
マリアナ諸島
グアム 13.4N 144.7E
サイパン島 15.3N 145.8E
パラオ諸島 マラカル 07.3N 134.5E
沿岸区 発表地点 緯度 経度
ミクロネシア
ヤップ島 09.5N 138.1E
チューク島 07.4N 151.8E
ポンペイ島 07.0N 158.2E
コスラエ島 05.5N 163.0E
マーシャル諸島 エニウエトク島 11.4N 162.3E
ソロモン諸島北岸
パングー 06.9S 157.2E
アウキ 08.8S 160.6E
キラキラ 10.4S 161.9E
ソロモン海
ムンダ 08.4S 157.2E
ホニアラ 09.3S 160.0E
南シナ海北岸
香港 22.3N 114.2E
サンヤー 18.2N 109.5E
トンキン湾沿岸 ビン 18.6N 105.7E
インドシナ半島東岸
クイニョン 13.7N 109.2E
バクリュー 09.3N 105.8E
タイランド湾沿岸
プラチュアプキリカン 11.8N 099.8E
シアヌークビル 10.6N 103.6E
ナコンシータマラト 08.4N 100.0E
カリマンタン北西岸
ムアラ 05.0N 115.1E
ビンツール 03.2N 113.0E
フィリピン諸島西岸
ラオアグ 18.2N 120.6E
サンフェルナンド 16.6N 120.3E
マニラ 14.6N 121.0E
スル海沿岸
イロイロ 10.7N 122.5E
プエルトプリンセサ 09.8N 118.8E
サンダカン 05.9N 118.1E
マレー半島東岸
クアラトレンガヌ 05.3N 103.2E
シンガポール 01.3N 103.9E
セレベス海沿岸
サンボアンガ 06.9N 122.1E
タラカン 03.3N 117.6E
マナド 01.6N 124.9E
トリトリ 01.1N 120.8E
ナツナ海沿岸
シンカワン 01.0N 109.0E
パンカルピナン 02.1S 106.1E


<参考> ICG/PTWSについて
 気象庁による北西太平洋津波情報の提供は、ICG/PTWSという国際的な組織の下での活動です。ICG/PTWSは、その正式名称を「太平洋津波警 戒・減災システムのための政府間調整グループ(Intergovernmental Coordination Group for the Pacific Tsunami Warning and Mitigation System)」といいます。ICG/PTWSは、1960年のチリ地震により発生した津波が太平洋全域に甚大な被害を与えたことを契機として、太平洋に おいて発生する地震や津波に関する情報を各国が交換・共有することにより太平洋諸国の津波防災体制を強化することを目的として設立された、国連教育科学文 化機関(ユネスコ)の政府間海洋学委員会(IOC: Intergovernmental Oceanographic Commission)における下部組織のひとつです。太平洋においては、米国・ハワイの太平洋津波警報センター(PTWC: Pacific Tsunami Warning Center)が太平洋全域の地震・津波の監視を行っていますが、気象庁は、対象領域をより限定し北西太平洋諸国のニーズに応じた情報を提供する地域セン ター(北西太平洋津波情報センター)として、ICG/PTWSの活動に貢献しています。具体的には、米国の太平洋津波警報センターが発表する情報には、予 測される津波の高さが発表されませんが、気象庁が発表する北西太平洋津波情報では発表されます。なお、太平洋には、気象庁が運営する北西太平洋津波情報セ ンターの他に、北米大陸の西岸及びアラスカを担当する西岸・アラスカ津波警報センター(WC/ATWC: West Coast / Alaska Tsunami Warning Center)があります。太平洋における津波警報体制を図3に示します。


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