<迅速な津波警報・注意報の必要性>
日本では地震発生後すぐに津波が来襲することがあります。
平成5年(1993年)北海道南西沖地震による津波は、最も早いところでは地震発生後数分もかからず海岸に到達したといわれています。
このような津波の危険から一刻も早く避難いただくために、津波警報・注意報は1秒でも早く発表する必要があります。
<迅速に発表する津波警報・注意報とその限界について>
気象庁の津波警報・注意報は、地震発生後数分程度で得られる地震の発生位置とマグニチュードから津波を予測して発表します。
いっぽう、同じ震源、同じマグニチュードであっても、断層の傾きや断層運動の方向などにより、津波の規模が大きく変わりますが、
断層に関する詳細は、10分間程度以上の地震波を分析して初めて分かるものなのです。
そのため、気象庁では、津波を発生させやすい傾斜角45°の逆断層を想定した津波の数値シミュレーションを多数行い、
その結果をデータベース化しておき、震源位置とマグニチュードからデータベースを検索して、津波警報・注意報を発表することとしています。
<逐次得られる観測データによる津波警報・注意報の切り替えについて>
気象庁では、津波警報・注意報を発表した後も分析を続け、断層についての詳細が分かった時点で津波を予測し直します。
その結果、最初の警報・注意報よりも津波が小さい、あるいは発生しない可能性が高いことが確認できれば、
警報・注意報の切り替えや解除を行います (
地震のメカニズムを活用した、津波警報・注意報の切替・解除)。
また、実際に津波が観測された場合など、逐次得られる観測データに基づいて、津波警報・注意報の更新を行います。
<震源が日本の沿岸から離れている場合>
震源が日本の沿岸から離れれば離れるほど、陸上にある国内の地震観測網だけでは震源やマグニチュードを正確に推定するのが困難になります。
このような場合には、世界中の地震観測データを解析することが必要になり、その結果津波警報・注意報の発表に通常より時間がかかることもあります。
もちろん、このような作業を行うのは、津波が沿岸へ到達するまで十分な時間的余裕があると判断できる場合に限ります。